▶︎【予定日超過】41週での帝王切開出産レポ-後編
前編はこちらから
お腹が切り開かれて「（赤ちゃん）プカプカしてるね〜。へその緒が首に巻きついてるからこれは出られなかったな」と医師に言われびっくり。絶対に見たくないけど（怖いから）一体どんな状態だったんだろう…。
「もうすくだよー！もう出てくるよー！」と助産師さんたちから声をかけられます。
そしてついに「ほにゃ〜」と産声が！さすがにこの時ばかりは（おぉ…）と涙腺が緩みました。
「出てきたよー！1時33分！」と医師に言われ、どどーんと目の前に赤ちゃんを差し出されます。男の子だよ〜とお股もしっかり見せられました。笑
（わぁ⋯この子がいたんだ……）と感傷に浸っていたのはほんの一瞬。すぐにケアのため戻されて、私には別の薬が投与されてコクッと眠りに落ちました。
目を覚ますと病室に戻っていて、入院着もきちんと着せられていました。時計を見ると手術開始から2時間が経ったくらい。思ったより寝てないなぁと思いました。
麻酔のせいか視界がぼやけていて、全てが二重に見えてふわふわした不思議な世界。
よくよく見ると左腕の点滴に加えて、右腕には脈を測る装置がつながれていて定期的に測られていました。下半身の感覚はまだなくて謎の状態。脚が存在してないようにしか思えず、何度か夫に「私の脚ってある？」と確認してしまうほど感覚がなかったです…。
数時間して脚の感覚がすこーしだけ戻ると、股の間に尿道カテーテルが通されてることに気づきました。（トイレに行かずとも済む装置です）両脚には血栓予防のための脚ポンプがプシュー…プシュー…と付いていて、完全にベッドに縛り付けられて身動きの取れない状態でした。
麻酔が切れたあとの傷口の激痛や後陣痛はもちろんつらかったけど、体勢が少しも変えられなくて寝返りが打てず、一睡もできない2日間が本当に本当につらかったです…。痛み止めの点滴も入っていたけど気休めレベルで、頭の中には【痛い】の感情しかありませんでした。
ちなみに飲食もこの時点では一切できていません。点滴から栄養を摂っている状態です。
身動きの取れない私の代わりに夫が新生児室にいる我が子を撮影してきてくれて、その写真や動画を見て少し元気を出す、という感じでした。
一度助産師さんが赤ちゃんを病室に連れてきてくれました。私はまだ両腕がほとんど動かせなかったので抱っこすることもできず、枕元に置かれた赤ちゃんとの写真を撮ってもらうのが精一杯でした。スマホも自由に操作することが難しく、友達への報告もなかなかできなかったです。
3日目にようやく脚ポンプと尿道カテーテルが外され、自力で点滴を持ってトイレへ歩きますが、これがもう凄まじい激痛で。まず体を起こすことが無理でした。看護師さんに体を支えてもらいながら起き上がって、ベッドから立ち上がり病室内のトイレへ歩く。そんなことがこんなに重労働になろうとは…。
やっとの思いでトイレから戻ったとき、ベッドに横になったらまた行きたくなったときに起き上がるのが大変すぎる…と思い、ずっとベッドにぼーっと座っていた時間もありました。点滴の交換にきた看護師さんに「どうしたの！？」と心配されましたがそれほどとにかく痛くて…。私はまた普通に動けるようになるんだろうか？と不安でした。
ただ人間の治癒力はものすごくて、5日目辺りからはイタタ…となりながらもなんとか動けるようになってきました。そして赤ちゃんが部屋にやってきて、母子同室でのお世話が開始。
昼夜問わずしっかり3時間おきに泣いて起きるので、おむつを替えて授乳をしてゲップをさせて…と大変でしたが、夫も泊まれていたので一緒にお世話できて良かったです。育児の大変さを少しは理解してもらえたように感じました。
9日目に無事退院。（帝王切開なので通常より入院が長かったです）
帝王切開は立派な命がけの出産
帝王切開は楽だよ〜とか、出産とは言えないな〜なんて言葉を未だに目にすることがありますが、経験したら絶対にそんなことは言えないはず。局部麻酔で意識のある状態での手術は恐怖しかないし、術後全く身動きがとれないつらさだとか、後陣痛に加えて腹筋が切られたことによる激痛。
2人目もこれをやるのか？と思うとシンプルに無理です。夫よ、もし望むのなら代わりに産んでくれ。
そんなことを思いながら日々育児に励んでいますが赤ちゃんは本当にかわいいです。妊娠中のつわりは心が折れそうだったし、出産もつらかったけど、無事に生まれてきてくれて何より。
どんな出産も命がけで、母体への負担は凄まじいです。普通分娩だろうが無痛分娩だろうが帝王切開だろうが楽な出産はこの世にひとつもないです。奥さんが無痛分娩にしたいと言ったらすぐに同意してあげてほしいですし、帝王切開であろうと産後はたくさん労ってあげてほしいなと思います。パートナーからの感謝や労いの言葉が一番嬉しいものです。
もし懐に余裕があればプッシュギフト（出産を頑張った奥さんへのプレゼント）なんてものがあっても嬉しいですね♡
